進 路

卒業生の声

RECIEL伊勢店 勤務
岩佐 健人(平成20年度進学コース卒)

失敗を恐れず!いろいろな経験を積むことが大切

RECIEL伊勢店 勤務 岩佐 健人(平成20年度進学コース卒)

 RECIEL伊勢店の岩佐といいます。私は高校卒業後、専門学校に進学、そして名古屋での美容師生活を経て地元伊勢に戻り今のお店に勤めさせていただいています。私が今までに経験し、感じてきたことをお話しさせて頂きます。少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
 まず、私は高校時代、部活動や勉強などの学校生活の中で特別何か取り得があるわけではありませんでしたが、日々の生活を楽しく送らせていただきました。当時はそれが自分にとって普通なことでしたが、今になって思うのは、本当に自分がやりたいと思うことを一生懸命しておけば良かったと感じます。
 日々の生活をなんとなく過ごすのではなく、自分の大切なことに打ち込むことや、自分のやりたいことって何だろう?と見つけることは、これから先、何十年と生きていく上で、皆さんの人生をより豊かなモノにしていくのではないかな?と思います。皆さんにとっての“やりたいこと”“大切なこと”は何ですか?
 専門学校へ通っていた頃は、それまでに出会わなかったような人たちと出会う機会が多くありました。私は1人で生きてきたわけではなく、沢山の人から影響を受けて今の自分があります。良い思い出の経験ばかりではありません。色々な人と出会い、色々な経験をした中で自分というモノができあがっていくと思います。その経験は皆さんだけのモノで誰一人として同じということはないと思います。たくさんの人と出会い、影響を受けて、経験していくことは皆さんの人生にもきっと良い影響を与えてくれるんじゃないかなと思います。
 そして、現在、働きだして思うことは、毎日は選択の連続だということです。大きいことでも小さなことでも、最後に決めるのは自分自身です。だからこそ失敗を恐れず色々な経験を積んでいくことが、この先の人生で、自分にとって何が大切で、何が幸せか、自分を知ることで、皆さんにとってより良い選択をしていけることに繋がると思います。
皆さんの幸せを願う周りの人を大切に、皆さんの人生がより豊かで幸せになることを願っています。


皇學館大学大学院 教育学研究科 教育学専攻
山下 晟弥(平成27年度特別進学コース卒)

教育とは「人が変われるきっかけを与えること」

皇學館大学大学院  教育学研究科  教育学専攻 山下 晟弥(平成27年度特別進学コース卒)

 私は皇學館高校を卒業後、皇學館大学教育学部教育学科に進学し、現在も皇學館大学大学院教育学専攻科でさらに教育について学修しています。
 私は高校生の時、特別進学コースに在籍しておりました。しかし、部活動にばかり力を注いでいたため、進路についてはよく担任の先生を悩ませていたと思います。そんな私が教育学部に進学しようと考えたきっかけは、定期考査前の友達との勉強会でした。この時初めて人に教える経験をし、相手が徐々に理解し変化していく様子を見て教育に興味を抱き、教員になろうと決断しました。
 そこで皆さん、教育とは何だと思いますか。私が高校の時や大学に進学した頃に抱いていた教育の印象は「勉強を教えること」でした。しかし、大学でたくさんのことを経験し、大学院でさらに専門的に学ぶうちに、教育とは「人が変われるきっかけを与えること」と知りました。なぜそう感じたかというと自分も教育によって変わるきっかけを与えられた1人だからです。転機は大学3年のゼミ選択でした。私は元々理科に興味があり、理科教育について勉強をしたいと考えていました。そこで選択肢に挙がったのが今所属している生物学研究室です。
 生物学研究室は昆虫生理学・理科教育学の二本の柱を掲げて研究を行っている研究室です。昆虫生理学ではチョウ目のアワヨトウ幼虫に寄生する寄生蜂の寄生戦略をアワヨトウの免疫に着目しながら解明しています。理科教育学では昆虫生理学で得た知識を元にして幼稚園・小学校・高等学校の教材開発や出前講座を行っています。私がこの研究室に所属して一番影響を受けたことは各分野の方々と関わらせて頂いたことです。例えば学会に参加したことによって出会った沢山の研究者、出前講座を受け入れてくださった先生方、また、本研究室の研究に興味を持ち視察に来たタイや南アフリカ共和国の研究者等、多種多様な方々と関わる機会を頂きました。私はこのようなきっかけを与えて頂いたことで、コミュニケーション能力や人との関係性の大切さに気付くことが出来ました。こういう良い経験ができたことで、私も人が変われるきっかけを与えられるような教員になれるよう日々学んでいます。
 最後になりますが、今後新しい社会を生き抜いていくためにはコミュニケーション能力や人脈作りが必要不可欠になります。その力を身に付けていくためにも高校生のみなさんは今のうちから色々な方面にアンテナを張り、人と積極的に話をしてみてください。そうすることで自分自身を成長させるきっかけが必ずやってくると思います。今、高校生という無限の可能性を秘めた皆さん!是非とも自分自身を教育してあげてください。
 皆さんのこれからのご活躍を期待しております。


帝京大学医療技術学部視能矯正学科 勤務
瀧川 流星(平成22年度卒)

疑問や興味を持つことが自分の将来を切り開く

 皇學館高校の皆さん、初めまして。私は皇学館高校を卒業後、帝京大学医療技術学部視能矯正学科に進学し、現在は同学科で教員として勤務しています。
 高校生の頃は勉強熱心なタイプではなく、部活動に力を入れていたため、将来の進路も特に決めていませんでした。なんとなく、国家資格も取れて安定した医療系に進学しようかな?と考えていたとき、たまたま帝京大学医療技術学部視能矯正学科を知りました。この学科は「視能訓練士」という国家資格の取得を目指します。皆さんの中で視能訓練士をご存知の方はほとんどいないと思います。私も受験するまでは聞いたこともない職業でした。
 視能訓練士とは、小児の弱視や斜視の視能矯正や、緑内障、糖尿病網膜症などの視機能検査を行う眼のスペシャリストとして、乳幼児からご高齢の方まで世代を超えて眼の健康を守る職業です。眼科に行くと、視力検査や眼鏡合わせをしている検査員がいると思いますが、あの方達が視能訓練士になります。眼はとても小さいですが、非常に複雑な臓器であり、医師と連携して必要な検査や治療・訓練方針を決める大切な役割を担っています。数ある医療職の中で、今後少子高齢化が進み、眼科の重要性は更に高まるのでは、と興味を持ち進学を決めました。
 大学に進学して眼について知識を深めていくにつれ、より網羅的に学びたいと思うようになりました。就職活動の際は、大学病院で勤務をして臨床経験を積むか、大学教員として研究職に進むか悩みましたが、大学教員のポストに空きが出ること自体珍しく、ましてや新卒を採用してくれるのは非常にまれであったため、教員になることを決断しました。
 現在は学生への講義や実技実習を担当するほか、空いている時間に眼についての研究を行っています。学生に教えるということは非常に難しく、どのように説明すれば上手く伝わるのか、日々試行錯誤をしながら講義を作成しています。将来、担当している学生が視能訓練士になり、私の講義が少しでも知識の一つになると考えると、非常にやりがいを感じます。
 また、大学教員のキャリアとして、研究も非常に大切です。私は教員として働きながら、2018年に帝京大学大学院修士過程を卒業し、2020年4月から同大学院の博士課程に進学しました。教員と大学院の両立は多忙ではありますが、学会発表や企業との研究も増えており、充実した生活を過ごしています。
 皆さんも進路について悩まれるかと思います。大切なのは、今、より多くの情報を得るために常にアンテナを高くすること、より多くの世代の方の話を聞くことだと思います。自分はどんな仕事をしたいのだろうか。どんな学問が向いているだろうか。と思うことも少なくないと思いますが、それはまだ知らないことが多いからだと思います。普段のニュースやSNS上の投稿でもいいので、ただ見るだけでなく、「なんでだろう?」と疑問や興味を持つことによって、自分が進みたい道も絞れてくるのではないでしょうか。
 そして、皆さんが通われている皇學館高校には素晴らしい先生方が多く在籍されています。高校生活は3年という非常に短い期間です。この限られた時間の中で、先生方に大学・就職の経緯を聞いてみるのも非常に有意義だと思います。
 今後、皆さんが熱中できる職業や学問に出会えることを願っています。ご活躍を期待しております。


伊勢赤十字病院 勤務
河俣 真由(平成22年度卒)

進路を決めることが
人生のゴールではない

 皇學館高校で頑張っている皆さん、こんにちは。私は高校卒業後、三重大学医学部に進学し、今年から伊勢赤十字病院で研修医として働いています。
将来のことなんて、高校生のうちから考えるのはとても難しいことですよね。私もその一人でした。今回は、私の進路決定についてお話ししたいと思います。皆さんの参考になれば幸いです。
 私の夢は、小さい頃は“看護師さん”、中学生の頃は英語が好きだったので“英語の先生”でした。でもそれは漠然とした夢であって、高校生になりいざ将来のことを考えようとしたとき、一体私はどんな仕事がしたいのか、わからなくなっていました。
 じゃあ、どうしようか。まず思いついたのは、今後自分が付きたい職業・進路ができた時、それを諦めなくてもいいように、勉強はまんべんなくやる努力をする、でした。センター試験では文系理系問わず、どの科目も受けなくてはなりません。得意科目も苦手科目も定期テストは同じくらいの点数を取ることを目標に、日々勉強を進めていました。実際、私は高校3年生の夏というかなり遅めに、祖父の死をきっかけにして、医師という職業を目指すことになりました。それまで医学部進学用の勉強なんてしているわけがなく、本当にやり切れるだろうか、そんな不安な毎日でした。しかし今までの努力は裏切らず、授業や定期テストなど基礎的なものから地固めをしっかりしておいたことで、ギリギリの進路変更にも対応することができました。
 また、将来何をしたいのかわからない・・・と悩んでいる人も多いと思います。医師という職業は、皆さんにとって想像しやすい職業ですよね。でも世の中には知らない職業がまだまだたくさんあります。私は医療の世界で働いていますが、人ひとりの命を救うためには何十もの職業の人が関わっています。そのほとんどを、私は高校生時代に知りませんでした。だから、世の中わからないことばかり。悩んで考えて、自分の興味があること、やりたいことを見つけられればラッキーですが、それは高校生の時かもしれないし大学生や社会人になった時かもしれない。やりたいことが見つかった時、それに向かって突き進める力を、今からつけていけばいいのかなと思います。
 最後に1つ、私がやっておいてよかったと思うことを紹介します。それは老若男女様々な年代の方々とお話をすること。皆さんの周りには、家族や友達、学校の先生、先輩・・・などたくさんの人がいます。自分たちが知らない世界をたくさん知っています。もしかしたら、何か将来を考える上でのヒントをもらえるかもしれません。進路を決めることが人生のゴールではないので、いろんなことを経験して将来の自分探しをしてください。


東海旅客鉄道株式会社 勤務
西村 星也(平成24年度卒)

「ありがとう」の気持ちを忘れずに

 私は現在、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)で車掌をしています。今回、私の高校生活と進路選択についてご紹介します。
 私が皇學館高校に入学したときは大学進学を考え、日々勉強に取り組んでいました。中学までは野球をしていたためほとんど勉強はしておらず予習、復習の方法すら分からない状態でした。そこで各教科担当の先生に予習、復習の方法を聞き、日々の授業を受けていました。授業中に分からないことがあればメモをし、放課後に先生に質問して解決していました。ちなみに高校3年間は部活動をせず塾へも行かず皇學館の先生を頼りにし、毎日勉強していました。
 文理選択で理系を選んだため数学、物理、化学といった教科がだんだん難しくなり、クラスメイトともに放課後に勉強することもありました。おそらく一人で勉強していたら途中で心が折れていたと思います。みんなで勉強することで、自分だけがここで終わるわけには行かないという思いが強くなり乗り越えられたと思います。
 この時は当然、大学進学を考えて勉強していました。しかし、私が高校卒業での就職を考えるきっかけがありました。それは「東日本大震災のボランティア」に参加させてもらった事でした。夏休みを利用し、陸前高田市に炊き出しのボランティアに参加させてもらった時、人のために自分のできる限りのことを精一杯させていただくことの素晴らしさを実感し、就職することを決意しました。
 私は働いてもう5年目になりますが、高校3年間で勉強したことは決して無駄にはなっていないと思っています。様々な規程を勉強する時に役立っています。今でも自分の決断は間違っていなかったと思います。目の前のことを一つずつこなしていけば努力は報われると思います。自分を信じて一度しかない高校生活を充実させてください。社会人になった時、高校生活はよかったと思えるようにしてください。
 自分一人で生きている訳ではありません。人間は周りの人に支えられて生きています。「ありがとう」の気持ちを忘れず高校生活を有意義なものにしましょう。

TOP